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yuki's wagamama online フリーペーパー「フロー」編集長つのだゆきのオフィシャルページ。

更新日 2010-02-27 | 作成日 2009-01-26  

アメリカの不況は底なし沼(2/4)

【現地2月3日】

カリフォリニアのサンディエゴで行われているASR FEB 2010。

折からのアメリカサーフィン業界大不況で、出展数もだいぶ減り、全盛期の1/6とか1/7ぐらい、会場の広さも大縮小で、あれなら日本のインタースタイルのほうがでかいんじゃないだろうか、という規模だった。過去、アメリカのトレードショーがこんなに小さかったことはない。

何しろぐるっとムラなく回って見逃しナシでも30分程度だったと思う。
2階では同時開催でクラス@ASRというショーも行われていて、こっちはお祭りというよりはもっとお仕事お仕事した感じの、ファッションウエア発注会のような感じ。

あれだけ大きなブースを毎回出していたクイックシルバー、ロキシーも今回は出展ナシ。ビラボン、ボルコム、ヴァンズあたりは会場内では最大規模の大きさのブースを出していたけど、それでもだいぶ縮小傾向だ。
う~ん、アメリカの不況は底なし沼状態っぽいな。

昨年の同時期にここに来たときに、不況でサーフィン業界もだいぶやられてるなと思ってたけど、それよりひどい状況になるとは思えなかった。でも、現実は一年たってだいぶひどいことになってしまった。もうああなると、どんなブランドが元気そうとか、どのラインが盛り上がっていそうとかって話ではなく、ただひたすら、う~ん、やばくね~の、これ? みたいな感じなんである。ライダーとか誰も居ないし、モデルのおネェさんたちもほとんど見かけないし。

ただ、初日の朝イチだからか、会場が狭い分だからかなんなのか、人は多めに感じた。日本人の姿もけっこう見かけたし。

アメリカがいつこの大不況から抜け出すのかわからないけど、あの状況を目の当たりにすると、個人的にこの不況の最初から感じていたように、どうやら今回の不況の嵐の風当たりは、アメリカより日本のほうがだいぶマシな感じだ。

日本ではサーフィンワールドという老舗サーフィン誌が休刊してしまったけど、アメリカだっていつどこが休刊になってもおかしくない状況だ。
カメラマンは20年、30年とシニアフォトグラファー、スタッフフォトグラファーとして活躍していた人が契約更新できずにフリーランスになったりしているし、雑誌を見限ったエディターは、業界内の少しでもよさそうなスポットに自分の椅子を求めて移動したりしている。日本だって決していい状況ではないけど、アメリカのカオスと較べたら、まだまだいいんじゃないの? と思う。日本のマーケットは、今こそ誇りと自信を取り戻すときなんじゃないかなぁ、とも思う。

なにお気楽なこと言っちゃってんのよ、と思う方は、アメリカのインダストリーの状況を微にいり細にいり、その目で見てくださいよ。マジでけっこうシリアスだから。


つのだゆき